崎本が手渡してきたのはペットボトルのスポーツドリンク。

…スゲェありがたい。

 「…ありがとう。
  ちょうど喉渇いてた。」

 「よかった。」

崎本の笑顔に胸が締め付けられた。

 「…それじゃ、私そろそろ…。」

 「あ、待って。」

 「え?」

思わず崎本の細い腕を掴んでしまった。

 「あ、えっと…。
  今日の放課後…一緒に帰ら
  ない?」

何言ってんだよ、俺…。

崎本にも色々用事が…。

 「よ、喜んで!」

…ああ、なんとなくわかった。

俺、恋に落ちたみたいだ。