…少し時間を無駄にしただろうか?

違うとは言いがたい。

 「あー…。」

日陰に入り、腰を下ろす。

1人は嫌いじゃない。

試合の後、オレは1人でいることが多い。

誰にも干渉されたくない時間だ。

何かを考えている時もあれば、何も考えていないでただ座っているだけの時もある。

1人は楽。

人に気を遣わなくていい。

 「…。」

なんとなく空を見上げる。

黒い雲がこっちに向かってきている。

ああ…。

なんか雨が降りそうだ…。

 「…何見てんだよ、歩斗。」

前から気づいてるっての。

 「バレた?」