「愛華。」

 「ああ、歩斗。」

夜の8時。

あたしは歩斗にマンションの外に呼び出されたんだ。

 「…どうしたの?
  こんな時間に。」

歩斗があたしのおでこに触れた。

 「…言いたいことわかる?」

 「うん…。」

言わなきゃって思ってた。

…でも、歩斗に嫌われたくなくて…。

どうしていいかわかんなくなってそのままになっちゃったんだ。

 「…なんで言ってくれなかった
  んだよ?」

怒ってるな、かなり…。

あたしにも航希君にも…。

 「だって…。」