「律ー。
  お前、啓人の家に行くくらい
  なら俺の家来れば?」

光弥が部活帰りにそう言った。

気持ちは嬉しい。

3年間ずっとペアの光弥。

誰よりも俺のことを考えてくれて、必死に俺と向き合ってくれた。

だからこそ…。

 「気持ちは嬉しいけど、これ以上
  お前に迷惑かけるわけには…。
  啓人の家なら見つかることない
  し。」

 「お前、今更迷惑とか…。」

ポケットに入れたケータイが鳴る。

 「あー、啓人?」

 『お前の親、家に乗り込んでき
  た。』

母さんが?

これはマズい。

どっから情報が漏れたんだ?

 「…とにかく、お前今日は帰っ
  てこないほうが良いかも…。」