「…まぁ、色々あったんですけど。」

やけに自虐的に語る愛華はまたひとつ大人になって…。

なんかあたしだけ置いてきぼり。

そんなこと誰も思ってないんだろうけど。

 「あたしも日花梨先輩のこと応援
  してるんで…。」

 「え!?  
  あたしはそんな…。」

痛いところをついてくる。

 「和田先輩とのこと。」

 「…何回言わせればいいんだか。」

テニス優先。

引退まで海斗と付き合うつもりはない。

 「おーい、女子!
  ミーティングするぞ。」

 「はい!」

ああ、もうこんな時間か。

関東まで練習時間が限られてることを実感する。