「おっと。
  乱暴な王子の登場ってところかな
  ?」

 「歩斗…?」

遠くからダッシュで向かってくる歩斗の姿があった。

 「…笹嶋!
  テメェ、愛華連れまわして何して
  …。」

そこから起きたことは…なんだかいっぱいありすぎて覚えてない。

 「俺が何しても嫌がんないでね。
  あくまで愛華のためだから。」

でも、その台詞と後ろから航希君に抱きしめられたことだけは覚えてる。

呆然と立ち尽くすあたしの肩を歩斗はガクガクと揺らした。

 「…お前、結局…笹嶋と付き合う
  の?」

 「違うよ…。
  航希君が勝手に…!」

ふわっと何かに包まれた。

 「歩斗…?」

 「ごめん。
  マジでごめん。」