「さすがにいい加減ウザイでしょ?」

自虐的にそんなことをいう航希君は少しだけ寂しそうに見えた。

 「そんなこと思ってないですよ。」

 「愛華と初めて会った時…。
  写真撮ったよね。
  あれ、今でも持ってる?」

 「持ってますよ。
  部屋に飾って…。」

…視線が重なる。

今度は目を逸らさなかった。

なんでだろ…。

目が離せなくなった。

航希君が不意にあたしの頬を触る。

そして…。

航希君があたしのおでこにキスをしたんだ。

 「こっちは歩斗に譲っといてやるよ。」

航希君がニヤリと笑って唇を指した。

バカ…何してんの…!?

 「…っ。」