「へぇ…。」

大庭さんはボレーのコースがかなりよくなっていた。

スマッシュの威力も上がっていたし、前衛としては非の打ち所がない。

 「サイド警戒だね。
  誘って打たせるのもいいかも。」

 「了解です。」

空けておいて打たせるってことか。

 「偵察?」

 「…まぁね。」

背中がなんとなくゾクゾクっとした。

梨々香ちゃんは試合になると妙なオーラを出す。

 「私にはまわってこないと思う。」

 「もう2回とったんだ?」

 「そう。
  先輩達も今のところ3-0。
  次とれば勝ちだし。」

試合、したいんだろうな…。

そんなこともなんとなく読み取れる。

 「愛華、次行こうよ。」