もし、歩斗があたしを好きでいてくれているなら…あたし達は幸せなんだろう。

でも、気づかされた。

現実はそう甘くなくて…。

このままだったら、歩斗と一緒にいた14年が全て無くなってしなうような気がして…。

やっぱり怖かった。

あたし…歩斗とこのままバラバラになるのだけは嫌だよ。

本当はずっと一緒にいたい。

都でベスト8に入ったら歩斗に告白する。

そう決めた自分はもういなかった。

平行線上の変わらないあたし達の関係。

そうだ、そこに安定感を感じていたのかもしれない。

ポケットでケータイが震えるのを感じた。

 「え?」

思いもしない人からの連絡。

なんで?

…航希君?