「テニスは中学までって何回も約束
  したわよね。
  もう5年もやったんだしいいでし
  ょ?」

もう5年?

まだ5年…だろ?

 「どうせ全国なんて無理よ。
  関東でさえギリギリだったんで
  しょ?」

 「…っ。」

全てを否定されるってこんなに悲しいことだったんだな。

やっとわかったよ。

 「あなたがこの家の長男として生
  まれてきたからには仕方ないの
  よ。
  宿命。決まっていたの。」

何が宿命だよ。

 「俺にとってテニスは…。」

 「律ももう15でしょ?
  少しは物事の判断くらい出来る
  でしょ?いい加減諦めて。」

諦める?

…なんだよ、それ。