ペアじゃねぇのかよ…。

搾り出すような声で歩斗が言った。

あたしの胸はますます締め付けられていく。

 「言いたいことあるんなら言えよ。
  いつもみたいに…。」

しんとした3階のフロアに声が響く。

 「…なんで?」

ねぇ、なんで?

なんで歩斗も蓮もあたしに答えを求めるの?

あたしにだってわかんないこといっぱいあるよ。

 「…ゴメン。」

…また泣かされてる。

 「愛華…。
  オレさ…。」

 「歩斗?
  …と愛華?」

足音でわかる。

幼なじみの足音。