「なに?」

 「…今日、屋上で蓮といただろ?」

なんでかわからないけど…。

あたしは体が凍りつくような感覚に襲われた。

 「…歩斗…いたの?」

 「外から見てた。」

歩斗はあたしの言葉にいつもよりもぶっきらぼうにこたえる。

なにそれ…。

 「手繋いでんのも、蓮が泣いてる
  とこも…オレは全部見たから。」

全部見た…。

その言葉が一番怖かった。

違うよ、歩斗。

誤解してる。

でも…声が出ない。

 「蓮にとって…オレってなんなん
  だろうな。」