「…え?」

 「それをちゃんと伝えなきゃ。
  歩斗に伝えようよ!
  歩斗だってなんか考えてるはず
  だし。」

全部あたしに話せるってことは、歩斗にも話せるはずだよ。

 「なんかって?」

 「…た、例えば…。」

藤本先生が都での歩斗はボールが短かったって聞いた。

緊張してたのも大きいし、力が入ってた。

それで尚更、蓮は上を張れなかったんじゃないかな?

 「…確かにそうかも。」

 「伝えないと何にも始まんないよ。
  遠慮すんなって!」

背中を大きく叩いてやった。

 「いってぇ。」

蓮の表情はなんとなく明るくなったかもしれない。

いい方向に進めばいいけど。