愛華が蓮に向かって何かを言った。

扉を挟んでいるのでよく聞こえなかった。

不意に蓮が愛華の腕を掴んだ。

 「!?」

アイツ何してんだよ…。

愛華嫌がって…。

 「…ない。」

腕を振り払う様子もなく、愛華は蓮をじっと見つめていた。

…どーゆーことだよ。

しばらくすると蓮はしゃがみこんだ。

もしかしてアイツ泣いてる?

…あの蓮が?

なんで?

愛華が蓮の隣に腰を下ろした。

愛華が蓮の頭を軽く小突いた。

…見苦しいな、オレ。

かなり妬いてる。