「愛華には勝てねぇな。
  やっぱ敵わない。」

いつでも俺より一歩も二歩も先を歩いていた。

愛華と歩斗が楽しそうにテニスをやってんの見て、俺も始めた。

でも、その頃には差が広がりすぎてて…。

今でも追いつけていない。

都大会止まりの俺と関東出場の愛華。

愛華にとっては、地区予選を通過することなんてただの通過点にしか過ぎないんだろう。

 「あたしは…。」

何か言いたげでどこか不安そうな愛華の顔は…。

やっぱさっきの言葉訂正する。

 「…愛華。
  言いたいことあるんならハッキ
  リ言って。」

 「…え?」

このままだと多分…愛華の手を離せない。