「笹嶋!…さん…。」

歩斗の表情が一変する。

ライバル視しすぎだってば…。

 「そっちはどうだったんだよ?」

佐伯先輩が挑発的な口調で言った。

 「もちろん勝ったよ。
  2-0でね♪」

一緒に来ていた一ノ瀬さんがそう言った。

 「それにしても城田、上達した
  ね。
  近いうちに試合しよーや。」

 「…うるせー。」

歩斗がそう呟いたのが聞こえた。

 「ま、決勝で待ってるわ!」

 「勝手に言ってろ!」

佐伯先輩が一ノ瀬さんに対して吠えた。

 「律。
  少し冷静になれって。」

大野先輩が佐伯先輩の肩を叩く。

 「わりぃ。」