笹嶋…。

無意識に歯を食いしばっていた。

 「…来年はお前らが表彰台に立てよ?」

海斗先輩の言葉に蓮は無言で頷いた。

 「もちろん。」

そう応えたオレも本当はうわの空。

クソッ…
なんなんだよ、マジで…。

笹嶋が今日はカッコよく見えて仕方ない。

凛とした表情も、日焼けした肌も…。

 「王者の貫禄ってヤツ?」

 「かもな…。」

程遠いな、オレ。

 「どうよ、城田?
  俺の事少しは見直したんじゃ
  ない?」

 「んなわけ…っ。」

すぐムキになるオレとは正反対に涼しい顔で笑ってみせる笹嶋。

 「ま、城田にしてはよくやった。」