ジュニアの時から思ってたことがある。

自分が負けるよりも愛華が負けたときのほうがなんかツライ。

無理して笑うアイツを見てるのはツライ。

だったら…側にいて笑わせてやろう。

そう思ったのはいつからだっけな?

よく…覚えてない。

オレは愛華の隣にいるべき人間じゃないかもしれない。

そうだとしても…。

やっぱ側にいたい。

笹嶋になんて渡さない。

…そういえば、蓮と昔、どっちが愛華と結婚するかとかでケンカになったな…。

蓮はもしかしてまだ…。

 「何してんだよ、歩斗。
  閉会式行くぞ。」

 「あ、うん。」

閉会式は真っ赤な夕陽に照らされて、なんかの映画の1シーンみたいだ。

 「男子優勝…笹嶋・一ノ瀬組!」