気持ちを切り替えるように靴紐を結びなおす。

ああ…足が重い。

こんなに戦ってきたんだ。

改めて実感する。

体が震えている。

それだけ強い相手と戦っている。

 『桃林!桃林!!』

…あたし達は桃林を背負っている。

地区の優勝ペアとしてのプレッシャーも背負ってるんだ。

 「気持ち入れて。」

 「二人で一本!」

日花梨先輩とハイタッチを交わした。

日花梨先輩の笑顔を見るのがなんだか辛くなった。

もしかしたら、負けるかもしれない。

そんな不安がよぎる。

余計なことを考えてる場合じゃないのに。

 「絶対勝つぞー!」

男子の声援が大きくなった気がして、後ろを振り返る。