ゲームは一進一退の攻防が続いた。

ゲームカウントは2-2。

愛華に異変があったのはゲームの序盤だった。

なんか…いつもと違う。

それを愛華自身も感じているはずだ。

でも、いつもとプレーは変わらない。

むしろ…よくなっている気がする。

 『愛華が自分の強さに気がつけば
  もっともっと強くなるはず。』

ふとそんな言葉が脳裏をよぎった。

愛華の強さ?

これは藤本先生の言葉だ。

でも、なんで今更?

…もしかして…。

愛華はもう気づいているのかもしれない。

いつもと様子が違うのもそのせいなの?

モーションのかけ方も動きも完璧だ。

これが本当の愛華…?