「れんさんっ!!」
今度は俺かよ
話しかけてきたのは野球部の後輩
「おー!!」
「よかったら今日あたり部活来てくださいよっ!!
俺、また憐さんと野球したいです!!」
こんな俺と野球したいと思うやつなんているのかよ…
―――――――うれしい
でも素直に喜べない自分がいた
野球はもちろん好き
でももう俺の野球は終わった
次なんて考えられない
それなのにいつまでも野球なんてやっていていいのか
こんな先の見えない俺なんかが…
「んー 行けたらな」
これがおれが考えた精一杯の答えだった
「…………れん?行かないの!?」
「じゅ、受験勉強だよ」
そんなのひとつも考えていない
「憐が勉強とか気持ち悪っ」
「うるせーな」

