夏希の住むマンションの、エントランスに座りこむ。

あたしはやっぱり、重荷やったんかな。
…当たり前や、他の男のこと考えてる女なんか、…最低やもん。
そんな女なんか、いらんよな。

でも、最後に拓馬くんの名前は出してほしくなかった。


涙が次々と溢れ、止まらない。
もう、嫌や……。


夏希はすぐに駆けつけてくれた。

呼吸を整え、頭の中を整理して順番に話し出す。


「龍くんと…別れた」


夏希は驚きを隠せない様子で、黙りこむ。


「コンビニで…拓ちゃんと会った。
 話しかけられて…泣きそうになって…、急いでコンビニ出てん」


彼女が話終えると、2人に沈黙が続く。