しばらくボーッと、一点を見つめていた。

もう、何も考えたくない。
このままずっと、真っ白でいたい。


時間は過ぎていき、空は茜色に染まってくる。
夏風が心地よく、少し肌寒い。

携帯を開くと、着信がどっさり入っていた。

慌ててひとまずず、龍に電話をかける。

1コールもしないうちに、彼は電話に出た。


『あずちゃん、どこ!!』


「…分からん、公園」


『そこで待ってて!!』


電話を一方的に切られ、ベンチに腰かける。

こんなあたしと、どんな気持ちで一緒におってくれてるんかな?
ただ、かわいそうとか思われてんかな…。



しばらく待っていると、息を切らして走ってくる…龍の姿が見えた。


「あずちゃん!!!」


駆け寄ってくるなり、強く抱きしめられた。


「よかった…無事やった。
 俺、めっちゃ心配した…」


途切れ途切れにそう言う。


「ごめん…」


ただ、謝ることしかできなかった。
拓馬くんのことでこんな風になったとか、思われたくない。


「なんで…コンビニおらんかったん?」