───7月、終業式。
学校が終わり、龍と約束をしていたため夏希と途中まで一緒に帰る。
龍くんの家は、力也くんの家から近いらしい。
行くのは初めてで、近くのコンビニで待ち合わせをしていた。
コンビニに入ると、まだ龍の姿はなかった。
仕方なく、暇潰しに雑誌を読む。
この服かわいい、このモデルはきれい。
雑誌に夢中になっていると、後ろから肩を叩かれた。
龍くん!と、名前を呼ぼうと振り向くと……拓馬くんだった。
「…久しぶり」
前と変わらない笑顔、変わらない目線の高さ。
少しぎこちなく笑う彼。
前は、無視したくせに…。
今日は彼女おらんから、話しかけてきたん?


