「おっ、来た来た。 後ろ乗り~」


力也はそう言って、自転車の後ろを指差す。

戸惑っていると、「早く」と急かされ…渋々後ろに跨がった。


そのまま、自転車は学校へと向かった。


「俺らの溜まり場」


校舎を歩いて、ついた先は…屋上。
そこで、2人の男女が話し込んでいた。


「あっ新人さんや!」


目線が少し低い人に話しかけられる。
一礼すると、背比べするかのように背中を合わせられた。


「どっちがでかい?」


「お前の方が、ちび」


力也が笑うと、男の人は力也の肩を軽く殴る。


「このうるさいちびは、拓馬。
 あと、ルイ。
 俺と同級生やから」


「石橋夏希…です」