後ろ姿




抱きしめられる力が、強くなる。
抵抗出来ずに、ただ立ち尽くす。


しばらく…その状態が続いた。


「ごめん…、無理に聞かへん言ったのに」


力也は抱きしめる腕を離し、ゆっくりと座らせてくれた。


この人やったら…あたしを助けてくれるかな?
信用しても、絶対に裏切れへんかな?


少しの迷いがある中、今日会ったばかりのこの人に、なぜか安心してる部分がある。




沈黙が続く中、彼女は口を開いた。