後ろ姿




助かった…。

立ち上がろうとすると、体が重たくて、うまく立ち上がれない。


「ちょっ、動くなって」


肩を支えられ、抱き抱える状態で立たされる。


「…触んなっ」


腕を振り払うと、再び体制を崩して倒れる。


「いいから、掴まれよ。
 そのままここでおるんけ?」


「うるさい、関係ない」


動けぬ体を無理矢理起こし、何度も立ち上がろうとする。
でも、それは無意味なことで…。


再び肩を支えられながら、背中におんぶされた。


「やめてよ!!!」


抵抗したくてもうまくできず…そのまま、構わず進んで行く。
そして、この人の家であろうそこに連れ込まれた。