「何あれ、謎やわぁ」


部屋に戻ると、夏希は納得いかない様子で頬を膨らます。


「…好き?」


以前から思っていたことを口に出してみた。
夏希はきっと、力也くんのことを…好きだろう。


少し間をあけ、夏希は口を開いた。


「うん、中学のときからずっと…」


赤面した夏希を素直にかわいく思った。

お互い、きちんと恋の話をしたことがない。
話さなくても、お互い気づいていた。

だから敢えて、口には出さなかった。


「結構、長いなぁ」


「中2くらいから、ずっとやから…」



そう言って、夏希はゆっくりと話し出した。