「龍、いいやつやで」


帰り道、夏希と力也くんが交互にあたしに話す。


「弟みたいでかわいいやろ?」


三人のなかで、龍の話題が多くなった。
二人は龍くんのことを、頻繁に勧めてくる。

…夏希と力也くんは、あたしの拓馬くんに対する気持ちに気づいてたっぽくて。
夏希の誕生日の日、あたしが泣いてたのを知ってから拓馬くんの話をしなくなった。

これが2人の優しさで、助かった。