こんなときにそんなん…優しくされても、困る。
嬉しいけど…どうしたらいいんか、分からん。
ゆっくりと立ち上がり部屋に戻ると、夏希と゛カケル゛がキスをしていた。
それも…ただひたすら、熱く。
こんな思いをしたあとのキスは、見たくなかった。
吃驚して立ち止まると、「王様ゲームやで」と力也くんが悲しそうな表情を見せたのは…気のせいだろうか。
龍は参加せず、他の人たちと話し込んでいた。
時計の針を確認すると、午前2時をまわった頃。
「そろそろ帰りますね」
部屋にいる人たちに軽く頭を下げ、階段を下りる。
外に出ると、拓馬の姿はなかった…。
考えただけで、胸が苦しい。
考えるのは、今は…やめよう。


