「…茶色のスリッパで大丈夫です」 そう微笑むと、夏希は面白味がなさそうに肩を下げる。 「上手いこと交わすやん!」 力也は残念そうに頭を掻く。 拓馬は、この話題には一切目を向けなかった。 「…まぁいいや、帰ろっか」 空はいつの間にか真っ暗に染まっていて、今日は解散ということになった。 夏希と二人、街灯のつく道を自転車を漕ぐ。