「それ、スリッパで決めるんですか?」


夏希はツボにハマったのか、泣きながら笑う。
力也はわざとらしく大きく頷く。


「スリッパ関係なくても、りっくん!!」


その言葉に勝利を勝ち誇り、拓馬を見下すように話す。


「俺の時代、きたきたっ!」


「まだやん、あず答えてないし」


急に話を振られ、戸惑う。
力也と夏希から視線を浴び、固まってしまう。


「あずちゃんは、どっちよ?」


選択を攻められ、頭の中で考える。
どうしようも答えることができない。


「あたしは…」


黄色のスリッパの拓馬くんか、赤のスリッパの力也くん。