「お前は空気読めよ~」
拓馬はムッとしながらあたしの頭をたたく。
「もう! 手加減してよ、チビ」
昔みたいに戻ってる。
懐かしいやりとり。
でも、1つだけ新しいやりとりがある。
それは………。
「今度あいつのこと優しいとか言うたら、しばいたるねん」
拓馬くんが、やきもちを焼いてくれること。
こんなやりとり、初めて。
それって、あたしらが゛恋人゛やから成り立つ会話やろ?
「あず、何笑ってんねん」
あたしは嬉しすぎて、自然とニヤニヤしてしまった。
拓馬くんは、あほやなって目であたしを見る。
そして、再びあたしの手を引いた。
「早く行くで」
E N D