すると、拓馬くんは「ったく」と言いながら、あたしの手を掴んだ。

2人の指が絡み合う。


「っふ。なんか、変な感じ」


「なんで?」


「だって…」


あたしたちは、近いようで遠い距離におった。
通じ合っていて、通じ合ってなかった。


「いつも誕生日、ありがとう」


あたしはニコニコ微笑む。

離れていても、誕生日に送ってくれてた花束。
あたしは、花束のおかげで頑張れたんやで?


「なんのことっ」


拓馬くんは口笛を吹いて、目を逸らす。