なにそれ、しばかれるって。 誰が晴樹くんをしばくんですか。 カバンから携帯を取りだし、ディスプレイを確認する。 …怒ってるみたい。 拓馬くんからは返信がない。 あたしは、ため息をついて店を出た。 「わっ!!」 扉を開けた瞬間、鼻の先でいい香りがした。 目の前には、色とりどりの花束。 「お疲れさん」 花束を抱いていたのは…拓馬くん。 あたしは驚いて状況が理解できていない。