「まぁ、座りよ。汚いけど」


スカートを軽く抑え、その場に座る。
真正面に座る拓馬から、わざと視線をずらす。


「…気にしてる?」


それが、さっきの屋上での出来事だとすぐに気づく。


「ちょっとだけ、気にしてます…」


嘘をついても仕方ないと思い、正直に答えた。
拓馬は焦った瞳をし、黙り込む。

沈黙に耐えきれなくなる頃、タイミングよく二人が戻ってきた。
夏希は満足気にジュースを飲んでいる。
そして、力也からジュースを手渡された。


「ありがとう…ございます」


お礼を言ってジュースを開けると、一気に飲みほした。