後ろ姿




「話していい?」


拓馬の表情が、急に険しくなる。


「あずはさ…その、…好きなやつとかおるん?」


「…なんで?」


「……もう、7年かぁ」


拓馬は一瞬、寂しそうな表情を浮かべた。


「笑うかもしれんけど…今でも、待ってる?」


すぐに、理解出来た。

あぁ…迷惑なんやな。
「結婚するから、もう待つな」って、言われるんかな?


「っふ。 …あたし、もう、25なる」


正直になんか、…言われへん。
もう、これ以上苦しくなりたくない。
拓馬くんにも、迷惑かけたくない。