…あたし、今でも拓馬くんが好きなんや。
こんなに、ドキドキしてる。


「1時に、駅前な」


拓馬はそれだけ言うと、庭の方へと戻って行った。


「あっ……」


肝心なこと、聞くの忘れてた。

そういえば、結婚…したんかな?
でも、誰もそんなん言うてないし…もしかして、まだなんかな?

でも、話聞いたときが5年やから…まだ付き合ってたら、7年?


とたんに、考えへんかったらよかったと、後悔した。


でも、今さらあたしに話なんか…あるんやろか?
わざわざ、明日話すことなんかあるん?


…もしかして、結婚の報告かな?

彼女、紹介されたりして…。



勝手な想像が、次から次へと浮かびあがる。


「はぁ……戻ろ」


これ以上、1人でいるとずっと考えてしまいそうなので、庭に戻った。