でも、やっぱりつらい。 悲しい、嫌や。 本気で大好きな人やのに…失恋は、つらい。 大粒の雨か涙なのか分からないものが、頬を何度もつたう。 「あずちゃん!!!」 龍がエントランスの方から、息を切らして走ってくる。 「濡れるで…?」 龍はすかさず、傘を差してくれた。 「って、もう濡れてるってか?」 いつもの調子で笑う龍。 いつの間にか、身長がかなり伸びている。