後ろ姿




「っ……」


その瞬間、一気に涙が溢れ出た。
こらえようにも、勝手に溢れてくる。

せっかく…会いたいと思えたのに。
待ちながら、考えないようにしてたけど…やっぱり好きやから、向き合おうとしたのに。


………なんでなん。

なんでいつも、会いたいときにはこうなるん?


絶対、あたしの届く範囲にいてくれへん。
まわりから、目の届かん範囲におる。



もっともっと、もっと…。


近くに、そばに…おってよ。


「あずちゃん…」


後ろから、優しく抱きしめられた。
その腕は、紛れもなく龍だった。