後ろ姿




「えっ……と」


反射的に目を逸らしたが、拓馬からの視線が苦しい。


「お前とおったら…変な感じや。
 なんか分からんけど、懐かしいねん…」


後ろから抱きしめられ、耳元でそっと呟かれる。
いつもより少し甘い声に、ドキッとする。
心臓の鼓動が早くなり、なぜか苦しく感じた。

沈黙が続き、さらに抱きしめられている状態に緊張感が増す。
振りほどくことができた筈なのに、それをしなかった。
理由は分からないが、突き放してはいけないような気がした。

拓馬の言葉の意味を理解できないまま、時間は過ぎる。
チャイムが鳴り、抱きしめられていた腕がほどかれた。