ドライヤーを晴樹くんに任せて、裏に戻る。
その瞬間、一気に涙が溢れだした。
「全然…あかんやん」
゛待ってる゛って約束したのに、泣いてたらあかんやん…。
涙を拭って、化粧を直す。
…あたしは、頑張れる。
いつか会える日を信じて、頑張る。
両手で頬に気合いを入れて、ミユウの元に戻った。
まだ晴樹がドライヤーで髪を乾かしていたので、交代してもらう。
「あとは、あたしがやるんで。
ありがとうございます」
お礼を言うと、心配そうに顔を覗きこまれる。
晴樹は何かを悟ったかのような表情を見せた。
「無理すんなよ」
晴樹は梓紗の耳元でささやくと、肩を叩いて立ち去った。


