…電車に乗り、無言の状態が続く。
疲れているせいなのか、それとも気まずさのせいなのか…。

重たい空気の中、電車は見慣れた駅についた。


「今日は、急に呼び出して悪かった」


「楽しかったです。ありがとうございました」


゛また行きたいな゛と言おうと思ったが、やめた。
変に期待させたら、あかん。

あたしの気持ちは、拓馬くんに向いているから…。


「…あのさ、梓紗ちゃんとそいつに何があんのかは知らんけど…。
 もし、そいつのせいで寂しい思いしてるんやったら…いつでも、言うてこいよ?
 話ぐらいやったら、聞くし」


あたしは、頭を下げた。
晴樹くんの気持ちが、素直に嬉しかった。