後ろ姿




不思議そうな目で見返すと、彼は自慢気な顔で自分のスリッパを指差す。


「頑張って塗ったねん」


どや顔をされ、苦笑いを返した。

あほみたいやけど…おもろい。

ガキっぽい笑顔、ガキっぽい身長。
見た目も中身も幼い彼の行動が、いちいちおもしろい。
こちらまで自然と笑みがこぼれる。


「俺、教室行かんから」


1年生と2年生の校舎に分かれる渡り廊下。


「どこ行くんですか?」


不思議そうに見つめると、拓馬は梓紗の頭を軽く叩く。


「屋上!
 …よし、強制拉致するわっ」