後ろ姿




「…おーい?」


晴樹は梓紗の顔の前で、手を交互に振る。
ハッと我に返り、気づけばあたしたちの順番になっていた。


「考え事?」


ジェットコースターは、急斜面をぐんぐんのぼっていく。


「ちょっと…懐かしかっただけですよ」


目を細めて微笑んだ瞬間、ジェットコースターは急降下した。