後ろ姿




「じゃーんっ」


ゲートに並ぶ途中、晴樹はヒラヒラと入場券を見せた。


「えっ、何で?」


「姉ちゃん、従業員」


晴樹は八重歯を光らせ、ハニカむ。
その笑顔に、少しだけキュンとした。


ゲートを通り抜け中に入ると、平日なのに人が賑わっていた。


「何乗るぅ?」


四方八方にある乗り物に目を輝かせながら、晴樹は、はしゃいでいる。


「やっぱ、ガキやなぁ。
 晴樹くんの乗りたいやつ、乗りますよ」


そう言うと、晴樹に手を引かれた。
そして、嬉しそうに笑う彼と、ジェットコースターの列に並んだ。