毎日、帰り道は駅まで一緒。
晴樹くんは電車、あたしはタクシーで帰ってる。
あたしは、この仕事に就いたと同時に大阪に引っ越した。
元々、地元も関西やけど…大阪の大都会で仕事するのが夢だった。
「今日も店長に怒られてたやろ?」
「っあれは、仕方なかったんですよ」
「コード?」
晴樹は、バカにするように笑った。
…今日、あたしは雑誌を運んでたとき、うっかりドライヤーのコードに引っ掛かってしまった。
ちょうど、お客さんの髪を乾かしてたのは店長で…後から、こっぴどく怒られた。
「引っ掛かるような高さ、ちゃうのにな」
他愛ない会話を繰り返し、ふざけあいながら駅につく。
これが、もう…毎日の日課になっている。