「久々、飲みに行く?」


「何が久々ですか、昨日行きましたやん」


「冗談やろ、ボケ」


上機嫌な晴樹に、頭を叩かれた。
仕返してやろうと手を伸ばすと、腕を掴まれる。


「ギャーギャーうるさいねん」


晴樹はニヤリと笑うと、店の奥へと入って行った。

うるさいのは、どっちよ、ガキ!

梓紗も店の奥へと入り、ロッカーで帰り支度を済ませる。
店の外に出ると、晴樹が立っていた。


「おっそ」


晴樹は待ちくたびれたかのように、疲れた素振りを見せる。


「待っててなんか、言ってませんけどね」


舌を出し、余裕の笑みを浮かべる。
ちらっと晴樹を見ると、呆れたように笑っていた。