…その頃、夏希と力也は拓馬のマンションを訪れていた。


「せーので押そな?
 ……あーっ、やっぱ泣きそう」


「今泣いて、どうすんねん」


「だって……」


2人が緊張して言い合いをしていると、突然、部屋の扉が開いた。


「お前ら、声でかいねん」


中から、前と変わらぬ…拓馬が姿を現した。
驚きのあまり、呆然とする。


「なんやねん、2人して情けない顔。
 …まぁ、中入れば?」


拓馬は扉を全開にして、2人を招き入れた。