…翌日、あたしは夏希からの着信で目が覚めた。


『拓ちゃんの居場所、分かったで!!』


「えっ……」


『会いに……行こう?』


拓馬くんの居場所が…。
彼に、会える。

でも、あたしは……。


「あたしは…行かれへん」


これ以上、話を聞きたくなくて電話を切った。

…会いたくて仕方ない。
でも、あたしは会えない。

…拓馬くんが生きててよかった。
居場所が分かってよかった。


それだけで…十分。